自由でオープンな意見を言い合えるチームづくり〜仕事の精度やスピードを上げるために、マネジメント視点から「言えない」状況を考える〜

実践&事例


チームメンバーとのミーティング、相談や雑談をしている中で、自身が気付いていない視点から相手が発した内容に、“確かに”“なるほど”という経験をしたことはあるでしょうか。
オープンな議論や意見を自由に共有し、それが仲間の役に立つことで自分が取り組んでいるテーマや仕事のゴールに向かう精度やスピードを上げることができる。そのためには、自由でオープンな意見を言い合えるチームづくりが欠かせません。今回は「言えない」状況にはどんな問題があるのかを考えながら、チームづくりのポイントをお届けいたします。

目次

  1. 自由でオープンな意見を言えるチーム、言ってもらえる私になるには
  2. 心理的ハードルが意見を言えなくさせている
  3. 自分が相手に対して持つ関心や期待を伝える
  4. 意見に対してまず受け止める
  5. コミュニケーション・マネジメントが組織スキルの鍵!無料セミナーのお知らせ

自由でオープンな意見を言えるチーム、言ってもらえる私になるには

いろんな視点がある、経験してきたことが違う、価値観も違う人同士が繋がり、各々考えることや感じることが共有されることで仕事の精度が上がり、スピードも上がっていくのではないでしょうか。
仕事をしていて“楽しい”と思う瞬間を増やしていこうと思うと、自由でオープンな意見を言えるチームであることや、意見を言ってもらえる自分でいるということが大切です。

自由でオープンな意見を言える、言ってもらえるとはどういうことでしょうか。
まず、言う立場として「どうしたらもっとオープンに意見が言えるのか?」という観点と、言われる立場として「どんな工夫ができるか?」という観点があります。この双方が「言える」とは、チームの役に立ちたい、相手に貢献したいと、自身の意見や考えたことが言えるということが前提です。「言えない」ケースのポイントを押さえることで、「言える」チームとは何かを紐解いていきましょう。

心理的ハードルが意見を言えなくさせている

「言えない」という状況の裏側には何があるでしょうか。
一つは、“相手の方が知っている”“相手の方が経験を積んでいる”と感じることで、「私が考えることを言っても仕方がない」という思考を持ってしまうというケースです。

  • 相手と自身が「違う」というところに価値があるにも関わらず、知識がより高い方、経験がよりある方の意見が優れているといった思い込みから言えなくなってしまう
  • 問題に感じていることを言いたいと思っても、解決策までないと問題提起してはいけない、提起できないといった思い込みから言えなくなってしまう
  • 提案をしようと思うと、その提案を実行できるスキルまでないと提案できない、してはいけないといった思い込みから言えなくなってしまう

もう一つは、意見を言うことにメリットがないどころか、デメリットとなってしまうケースです。

  • 改善提案をすると、もれなく一人で担う必要が出てくるため、言わない

このように、意見を言うということに対して心理的ハードルが働き、「言えない」状況を作っているといえます。

そのほかにも、会議の進行の仕方や、場作り、雰囲気といった細かな部分により、意見を言うことに対しての心理的ハードルが上がり、意見を言うというアクションを抑えてしまうケースもあります。違う立場から自身が感じたことを述べ合うということが、チームの利益に繋がる。そして、何か新しい発想や、着眼点が生まれてくる。こういった考え方が浸透していくことが大切です。
まずは、自分の思い込みを上書きすることから始めていきましょう。

自由でオープンな意見を言い合えるチームづくり



自分が相手に対して持つ関心や期待を伝える

自由でオープンな意見を仲間に積極的に言ってもらえる私になるには?という観点についても考えてみましょう。どんなことを工夫したら良いでしょうか。
一つは、自身が相手への関心と期待を持つことです。客観的に対人関係を考えると、相手が自身に関心があるかどうかを感じ取るものです。相手が自分の話に関心を寄せているか?自分の率直な意見に期待してくれているか?考えていることを言う、言うことで相手の役に立とうというモチベーションを醸成するためには、自身が相手に対して持つ関心や期待なのではないでしょうか。

その上で、何を言えばいいのか?何を期待されているのか?ということを明確にしていく必要があります。「何でもいいから意見を言って!」これほど言いにくいものはありません。例えば、何に困っているのか?どうしたいのか?こういった情報を明確に相手と共有することが大切です。

情報を明確にし、具体的に相手に共有をする。期待も言葉にして伝えないと分かりません。例えば、現場で業務をする立場から教えてほしい、あなたが感じた事を言ってほしい、こういった期待もストレートに伝えていくことで、「言える」状況を生み出していくことができます。

意見に対してまず受け止める

最後に、次に繋がるかどうかという点から、言ってくれた時のリアクションが大切となります。特に難しいこととして、ネガティブフィードバックや、問題について述べてくれたケースです。これは、自身に対する批判ではないと頭では分かっていても、なぜか否定されたような受け止め方をしてしまうものです。しかし、それに対してまず受け止める。これができるかどうかで、オープンな意見がこれからも沢山出てくるかどうかが変わります。反対したり、言い訳したりすると、次に繋がることはありません。どんな意見であっても、ゴールに向かうためのファクト集めを自分はしている、だから受け止める。その意見を言ってくれたことに感謝を伝えられると、「言ってもらえる私」に近づいていくのではないでしょうか。

今回は、自由でオープンな意見を言えるチーム、そして言ってもらえる私になるには?というテーマでお届けしました。オープンな意見や、感じていることを自由に共有でき、それが仲間の役に立つことで、自分が取り組んでいるテーマや仕事のゴールに向かう精度やスピードが上がる。これが仕事をしていて楽しいと思う瞬間にも繋がるのではないでしょうか。

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