ヘルプシーキング実践方法~BeingとDoingを定義する~

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ヘルプシーキング行動力はチームの成果を最大化するための技術であり、ビジネススキルです。今後、個人スキルとしてはもちろん、組織スキルとしてヘルプシーキング行動力を向上させていくことの重要性がさらに高まっていくでしょう。 
ヘルプシーキングが上手な組織を作るためには、何を実践していけばいいのでしょうか。今回は、具体的な解決策として、BeingとDoingを定義することについてご紹介いたします。 

目次: 

  1. BeingとDoingとは何か 
  2. 実践するための2つのコツ 
  3. チームでBeingとDoingを考える重要性 

1.BeingとDoingとは何か 

Beingとは、望ましい状態です。 
チームでヘルプシーキング行動力を高めるためには、解決すべき課題を言語化してBeingを定義することから始めましょう。ヘルプシーキングは手段であって、目的にはなり得ません。

  • チームのどういった課題を解決したいのか?  
  • 解決するとどういうチームになっているか?

2つのポイントを考えると、Beingを言語化できるようになります。 

Beingが言語化できると、Beingの実現に向けて具体的に何をするかというDoingを定義できるようになります。2つが揃うことで、チームとして何を目指してどういった行動をするのか、という指針になります。 

2.実践するための2つのコツ 

【Beingの解像度を高め、具体化する】 

「みんなで助け合えるチームを作りたい」といっても、チームによって現場で抱える課題も異なるため、描きたいBeingもそれぞれ異なります。まずは現場で起きている困りごとと、それをどう変えていきたいのかという望ましい状態を言語化します。 

 ●若手が仕事を抱え込んでしまい、疲弊してしまっている。個人で抱え込むのではなく、早めに周囲にヘルプを出せる状態にしたい
 ●複数案件のプロジェクトマネジメントを務めているものの、手戻りが生じてしまい納期管理が難しい。問題を早い段階で検知し、納期遅延のリスクを低減したい 
 ●チームの年齢層が幅広く、知識や経験にばらつきがあり顧客への提案の質にも影響がある。知識や経験がチーム全体に共有されて、若手でも質の高い提案ができるようにしたい 
 ●育児や介護等、様々な事情を抱えるメンバーが多く、申し訳なさそうに仕事をしている。皆が自信を持って、活き活きと仕事ができ、助けてもらうことに後ろめたさを感じないチームにしたい

このように、具体的に望ましいBeingの状態を解像度高く言語化していきましょう。どんなチームにしたいかはチームによって千差万別なので、自分たちの現状を踏まえた上でどうありたいかを表現する言葉にも拘ることも重要です。 

【具体的なBeingから、具体的なDoingを定義する】 

望ましいBeingの状態は、具体的な行動であるDoingの目的にあたります。目的が明確だと仕事が進めやすくなる経験は、多くの人が持っていると思います。 

困りごと:若手が仕事を抱え込んでしまい、疲弊してしまっている。 
Being:早めにヘルプを出せる状態にしたい。 

このような課題とBeingであれば、具体的な行動としてDoingは以下のように設定することができます。 

 ●毎日始業時と14時に15分のショートミーティングをオンラインで上司と実施する。疑問点や困りごとを解消する場を作る
 ●チームで疑問や困りごとの投稿ができるチャットスペースを作る 
 ●週次のミーティングで、今困っていること・心配ごとの共有時間を設ける 
 ●新しい企画に着手する際は、まずは30分自分で考えて、上司と進め方について相談する時間を設ける 

3.チームでBeingとDoingを考えることが大事 

BeingとDoingの定義をリーダーが率先して着手するとしても、一人で抱え込まないようにしましょう。ヘルプシーキングが上手な組織を作る過程もチームメンバーを巻き込み、助け合いながら取り組めるといいですね。  

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参考書籍について

仕事は自分ひとりでやらない

仕事を抱え込まずに助けを求める技術 「ヘルプシーキング」の教科書
ヘルプシーキングとは、「一人で抱え込まず、周りに助けを求める」ビジネススキルです。 日本で数少ないヘルプシーキングの専門家であり、ヘルプシーキングを経営者、マネージャー、ビジネスパーソンなどに指導している小田木が、”仕事で周りを頼り、ヘルプを求めるためのスキル”を本書で初公開しています。

ヘルプシーキングを仕事で取り入れることで次のような効果が期待できます。

・仕事を一人で抱え込むことがなくなる
・個人はもちろんチームの仕事を効率的にできる
・助けを求めやすい人間関係や職場環境になり働きやすくなる
・仕事のスピードと質が上がる
・個人・チームで成果を上げやすくなる
・突発的なトラブルへの対処力が上がる

ヘルプシーキングは「助けを求めるのが苦手」「人に頼れる性格じゃないから」と思っている人が仕事のやり方を変えられる新しいメソッドです。
誰でも身に着けられる最強のビジネススキルとして、この本では考え方・やり方を具体的な事例とともにお伝えしています。

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