キャリアに関する決断、いつ決めるか、何を軸に決めるのか〜選択に迷ったときに押さえるべき2つの重要ポイント〜

実践&事例

技術職/Aさん、復職直後
育休に入る前に部署異動を経験。現部署は働きやすく、仕事のテーマもトレンディで新しい経験が積めている。 一方で、以前在籍していた部署は、大学生時代から勉強をし、何よりも取り組みたかったテーマ。今の部署で経験を積むべきか、元部署に戻ることを目指しながら、周囲に働きかけをしていった方が良いのか、キャリアの見通しを立てたい。

選んだ結果の影響が大きく、なかなか選択できないといった、キャリアに関する選択を躊躇することもあるのではないでしょうか。今回は、Aさんの事例をもとに、キャリアとして何を選択するか、どう選択したら良いのかを考えます。

目次

  1. キャリアの選択に迷うときは何を基準に決めるかを考える
  2. 今は決めないという選択肢もある
  3. まとめ
  4. 参考書籍について
  5. Voicyチャンネル「小田木朝子の 今日のワタシに効く両立サプリ」ご紹介

キャリアの選択に迷うときは何を基準に決めるかを考える

ポイントは、

どちらが良いかを考えるのではなく、何を基準に決めるかを考える

どちらが良い選択なのかは誰にも解らず、正解もありません。
今回のケースでは、Aさんにとっての評価軸を決めることから考えていきたいと思います。どちらが良いのか直接的に答えを出そうとするよりも、評価軸を決めることに時間を割くということです。

例えば、テーマへの関心度・興味関心の喚起度が優先なのか、それともテーマのトレンディ度(今後の需要だとか、つぶしの危機度)で決めるのか。はたまた、働きやすさなのか、上司や仲間、いわゆる環境の良さなのか。技術職としての成長度合いなのか、難易度・挑戦度の高い方がいいのか。
この評価軸を決めると、答えを自分で決めることができるようになります。答えは自分の中にある。これは、自分の中に答えそのものがあるのではなく、評価軸を明らかにし、自分が何を基準に選ぶのかを明確にしながら自分と対話を進めるということです。

評価軸を決めるにあたって、全てを洗い出し一律に点数を付けるのではなく、特に重要な指標や大切な軸は何なのか、重み付けも考えていきましょう。
例えば、評価軸が全10個あり、その中の一つに「テーマへの関心度」があったとします。「テーマへの関心度」以外の9個の項目が○で、「テーマへの関心度」のみが✗。だからAという選択をする。それとも、「テーマへの関心度」は絶対に譲れない大切なポイントだから、例え他の評価軸が全て✗だったとしてもBを選択する。このような考え方です。

また、評価軸そのものが、自分次第で変えられる軸なのか、それとも環境が影響する軸なのかも合わせて考えていきましょう。
例えば、テーマに対して関心が持てるかどうかは、自分次第で受け止め方を変えることもできる軸です。一方で、部署が扱うテーマのトレンディ度(今後の需要)は、自分の努力と創意工夫では何ともならない環境要因。つまり、環境要因はその時点で決まっており、評価すべき軸は、自分次第でどうにかなる自由度の高い軸とも言えます。

今は決めないという選択肢もある


本論から少し逸れますが、その答えを今出す必要があるのかどうかを考えるという点も、留めておく必要があります。
例えば、転職で内定が出たA社に行くのかB社に行くのかを決める。これは期限が明確に決まっているので、期限までに決定をしなくてはならない問いです。一方で、今後のキャリアをどうするかという問いは、今決定をする必要があるわけではなく、期限が決まっていないものです。

回答を明確に求められており、チャンスを掴むために早く動く必要があるものは、今決めたほうが良いもの。ただし、自分が“はっきりさせたい”と感じる程度であれば、今答えを出さずとも良い、という選択も取れるのではないでしょうか。
決めてスッキリしたいという感情は当然です。しかし、今拙速に答えを出すよりも、一年経験を積んで成長した自分の方が良い答えを出せるかもしれません。今の部署で真剣に仕事をし、信頼を獲得した先に、今は持っていない選択肢を一年後の自分が持っている可能性です。より良い選択をするために、今後のキャリアをどうするかという問いを持ち続ける事が重要と言えます。

まとめ

ポイント①
選択に迷うときは、
どちらが良いかを考えるのではなく、
何を基準に決めるかを考える。

ポイント②
その答えを今出す必要があるのか、
出さないという選択肢もある。


参考書籍について

働く私たちの育休戦略

働く私たちの育休戦略

私たちの働き方は本当によくなったのか?
DX、SDGs、イノベ―ション、ダイバーシティ、女性活躍推進、エンゲージメント、エンプロイアビリティ……個々のキーワードや施策が自己目的化、「仕事ごっこ」化していないか?新しい時代へアップデートしていくために本当になすべきことを、累計25万部・問題地図シリーズの生みの親が集大成。一企業だけ、一部門だけ、一個人だけの努力では成し遂げられない価値創造へ踏み出すための、変革の教科書。


株式会社NOKIOO 取締役 小田木朝子

小田木 朝子
株式会社NOKIOO 取締役/経営学修士

ウェブマーケティングの法人営業などを経て、NOKIOO創業メンバーとして参画。教育研修事業担当役員。2011年、中小企業診断士資格取得。2013年、自身の経験を活かし女性の社会参画支援事業『ON-MOプロジェクト』を立ち上げ、会員6,000名を超えるネットワークを育成。2016年12月『一般社団法人 育勉普及協会』を設立。2020年、オンライン教育サービス『育休スクラ』を立ち上げ、経験学習による人材開発・オンラインを活用したキャリア開発とアクティブラーニングを法人・個人向けに提供。グロービス経営大学院修了。
著書「人生の武器を手に入れよう!働く私たちの育休戦略」。
●音声メディアVOICYで「今日のワタシに効く両立サプリ」配信中 https://voicy.jp/channel/1240
●アクティブ・ブック・ダイアローグ®認定ファシリテーター


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