自己認識の高め方~自己理解と他者理解のバランスを考えるための、良いフィードバックの受け方〜

実践&事例


自身が大事にしたいこと、自身の強み、これからどうしたいかを考え、よく理解すること。すなわち “自身のことをよく理解すること”が大切だと考える方も多いのではないでしょうか。そのため、自己認識を高めるために他者からフィードバックを受けるという手段を用いることも少なくありません。今回は、このフィードバックをテーマに取り上げ、自己認識を高めるためにどう活用できるのか、をお届けいたします。

目次

  1. 自己認識を高める方法
  2. 自己理解と他者がどう見ているかのバランスを考える
  3. 他者からのフィードバックを活かすためには良い受け手であることが必須
  4. まとめ
  5. 参考書籍について
  6. Voicyチャンネル「小田木朝子の 今日のワタシに効く両立サプリ」ご紹介

自己認識を高める方法

自身のことを理解する、いわゆる”自己認識”と言われることの中に、話題には上がらないがとても大切な前提があります。
自己認識には二つの要素があります。

  1. 内面的自己認識・・・自身自身の感情・欲求・強み・価値観を、自身がいかに正確に捉えているか
  2. 外面的自己認識・・・自身自身の感情・欲求・強み・価値観を、他者がどう見ているか

自身のことをどのくらい自身で理解をしているか、他者が自身をどう見ているのかを自身でどのくらい理解しているか。この二つのバランスが取れてはじめて、自己認識は高まっていきます。

自己理解と他者がどう見ているかのバランスを考える

自身のことを理解しようとする時に、自身に向き合って考えるという動作を多くとりがちです。この場合、自身のことについての理解は深まりますが、他者が自身のことをどう見ているかという点への理解が不足します。
では、自己認識の高い人、低い人とはどういう人なのでしょうか。


<自己認識の高い人>

  • 内面的自己認識と外面的自己認識のバランスを強く意識できている
  • 自身の感情が自身と他者にどう影響するかを認識している
  • 自身が決めることが自身の価値観と噛み合っている
  • 他者にフィードバックを求めて失敗を認められる

<自己認識の低い人>

  • 内面的自己認識と外面的自己認識のバランスを欠いている
  • 自身自身に対する思い込みが強すぎる、人の目を気にしすぎる
  • 自身の価値観を認識できていないので、心の動揺に引きずられた決定をする
  • 改善を求められても自己否定と受けとめ、感情的になってしまう

つまり、自己認識は、自身のことをどのくらい自身で理解をしているか、他者が自身をどう見ているのかを自身でどのくらい理解しているかといった、2つのバランスを持つことが大切です。

自己認識に双方の側面があるということは、自身自身だけで自身を理解することが困難であるとも言えます。そのため、自己認識を高めるうえで、他者からのフィードバックが必要不可欠です。
人との関わりの中で生活をし、仕事もしていくわけなので、自己認識を高めるためにはフィードバックを求め、他者から自身がどう見えているかを知っていくことが非常に重要なのではないでしょうか。

ここで向き合わなくてはならない点が、フィードバックを受け、活かすことが難しさです。なぜ難しいのでしょうか。一つは、人間誰しも、ありのままの自身を受け入れて欲しいという欲求を持ちます。辛口のフィードバックや指摘を受けると、その内容よりも、“言われてしまった”事実に意識が向いてしまい、衝撃を受け動揺してしまうためです。もう一つは、フィードバックをもらう相手によって、受け入れることが難しく、“あなたに言われたくない”という感情を持ってしまうためです。こういった感情と向き合い、自身のことをよく理解し今後の成長や発展に繋げるためには、やはり良いフィードバックの受け手であることが重要と言えるのではないでしょうか。

他者からのフィードバックを活かすためには良い受け手であることが必須

では、どうすれば良いフィードバックの受け手になるのでしょうか。 まずはフィードバック=自身が信頼しており、自身より“できる人”からでないとだめだという思い込みを捨てることがスタートです。

感情が優先され、フィードバックをもらう相手を制限することで、フィードバックの機会も減り、偏ったフィードバックになってしまいます。フィードバックは、自身のことを見ている人や、自身と関わって一緒に仕事する人であれば、ストレートに言うと誰でもいいのです。苦手な上司でもいい。自身よりまだ経験や知識の少ない後輩からでもいい。重要なのは、フィードバックを求めていくことと、求める自身が良い受け手であることです。

最後に、良いフィードバックの受け手になるために押さえるべきポイントはどこにあるでしょうか。
一つめは、誰からのフィードバックなのかを切り離し、内容だけに目を向けることです。
二つめは、なぜそう言うに至ったのか、相手の立場からどう見えているのかを客観的に分析することです。
三つめは、フィードバックが的を射ているのか、小さく実験で検証をすることです。

まとめ

勤続年数や自身の年齢、組織での役割が上がっていくと、フィードバックを受ける機会というのは確実に減っていきます。気になることなないか?フィードバックをもらえないか?こんなアプローチを続けることで、自己認識を高め続けていくことを大切にしていきましょう。
最後に、忘れてはならないことが、自身に対する謙虚さと期待です。謙虚に受けとめながら、そこを起点に変わることができ、まだまだ成長できるという期待を持ち続けることで、年齢を重ねても成長していける人材でありつづけることができると言えるのではないでしょうか。
今回は、自身のことを理解するという観点から、良いフィードバックの受け手になる方法をご紹介しました。

参考書籍について

働く私たちの育休戦略

働く私たちの育休戦略

私たちの働き方は本当によくなったのか?
DX、SDGs、イノベ―ション、ダイバーシティ、女性活躍推進、エンゲージメント、エンプロイアビリティ……個々のキーワードや施策が自己目的化、「仕事ごっこ」化していないか?新しい時代へアップデートしていくために本当になすべきことを、累計25万部・問題地図シリーズの生みの親が集大成。一企業だけ、一部門だけ、一個人だけの努力では成し遂げられない価値創造へ踏み出すための、変革の教科書。


株式会社NOKIOO 取締役 小田木朝子

小田木 朝子
株式会社NOKIOO 取締役/経営学修士

ウェブマーケティングの法人営業などを経て、NOKIOO創業メンバーとして参画。教育研修事業担当役員。2011年、中小企業診断士資格取得。2013年、自身の経験を活かし女性の社会参画支援事業『ON-MOプロジェクト』を立ち上げ、会員6,000名を超えるネットワークを育成。2016年12月『一般社団法人 育勉普及協会』を設立。2020年、オンライン教育サービス『育休スクラ』を立ち上げ、経験学習による人材開発・オンラインを活用したキャリア開発とアクティブラーニングを法人・個人向けに提供。グロービス経営大学院修了。
著書「人生の武器を手に入れよう!働く私たちの育休戦略」。
●音声メディアVOICYで「今日のワタシに効く両立サプリ」配信中 https://voicy.jp/channel/1240
●アクティブ・ブック・ダイアローグ®認定ファシリテーター


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