働く時間ではなく役割で評価する仕組みづくり〜期待役割の明確化〜 その2

実践&事例


働く時間ではなく役割で評価する仕組みづくり〜「時短勤務は肩身が狭い」を考える〜 その1」では、「時短勤務は肩身が狭い」を、働く時間ではなく役割で評価する仕組みづくりという点で考えるというポイントをご紹介しました。 今回は、その具体的な事例と方法をお届けいたします。

目次

期待役割にどんなことが書いてあるのか実例紹介

株式会社NOKIOOでは、全メンバーに対し期待役割が用意されています。今回は、Kさんの事例を上げてみましょう。

<Kさんの期待役割>
担当するプロジェクトのディレクターとして、タスク管理、工程管理に加え、目標達成とKPI管理を行う。具体的には目標に向けて適切なKPIを設定し、経過を管理しながら必要な打ち手を設計できるレベル。そのために必要な情報収集や問題発見、メンバーの巻き込みができることを期待する。
運営チームで担う案件やプロジェクトについて業務の標準化、効率化とその記録の蓄積(マニュアルや手順書作成)を進め、チーム全体の業務レベルの向上に貢献する。

業務内容や業務範囲についても明確にしますが、具体的に期待役割を書いていくことがポイントです。「ディレクション業務」と一口に言っても、どんなディレクションなのか、どんなレベルを期待するのか、そして、その業務において何を大事にしてほしいのか、最後にチームの中にどう貢献してほしいのか。 このKさんの場合は、仕事が丁寧で効率的に進めることができるため、それをKさんだけの力にするのではなく、「マニュアルや手順書の作成を通して、業務の標準化や効率化の役割を担い、チーム全体の業務レベルの向上に貢献して欲しい」という書き方をしています。

どうでしょうか? 客観的に見ると、期待が盛り沢山です。 しかし一方で、強みも生かされ、どうしたら一番効果的にチームに貢献できるかが書いてあるため、活動はしやすいのではないでしょうか。

期待役割について対話をして共有する

期待役割を設定したら、どうやって共有していくのかを考えてみましょう。

公開するのは、社内のオープンチャネルです。株式会社NOKIOOの場合はMicrosoft Teamsを使用します。ただ、社内に公開する前には、本人との認識合わせが必要です。これについては、1on1をしながら、共有や対話をして理解を深めます。

理想は、期待役割がまず明確にあり、期待役割に対し個人の目標ができ、一人一人の育成計画をし、評価がされる形が望ましいでしょう。

期待役割のヒアリングポイント


まず一つめは、部門やチームなど組織の中での役割は何かということです。 例えば、オペレーションチームであれば、組織の中での役割はオペレーションをこなすことではなく、自社のファンを増やすことのような定義ができるかもしれません。

二つめは、チームの目標や課題のヒアリングです。 予算などは開示されていることが多いものですが、その中でどんなテーマをより重視しているか、という点です。例えば、

  • 新規のファンを増やすこと
  • 一人一人のファンとより深く握手していくこと
  • オペレーションの改善が重視される
  • 出来上がったものを標準化していくこと

などが上げられます。

三つめは、その中でその人がどんな役割を担えるのかという点です。 どう動けばチームの成果に貢献できるか、強みは何か、活かせるのか。こういったことを適切に明確にしていきます。

理想は上司と当事者で対話をしながら明らかにし、かつ双方で合意されていくことですが、まずは仮説を立てることもできるのではないでしょうか。

まとめ

期待役割を明確にすることは、仮に制約があっても、効率よく頑張れば評価される仕組みであり、評価ができる仕組みです。これを頑張ってほしいという想いと、こう捉えていたという想いは、放っておくとすれ違っていくものです。そのため、こういうことを期待したい、こういうテーマについてより頑張ってほしいという想いと、メンバーの理解や納得、こういうテーマを頑張りたいという想いを調整するためのコミュニケーションツールとして活用できるのではないでしょうか。
かつ、チームが組織の中でどんな期待役割を担っているのか、チームの中で個人がどんな役割を担っているのかという具合に、個人に向けて細分化されたものになっていきます。
期待役割は、仕事を効率的に進め、チームと組織に貢献できるようになるための仕組みと言えます。


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