ロジカルの誤解?温かみのあるロジカルな人を目指す〜感情・ビジョン・ストーリーもロジカルに考えて対話する〜

実践&事例


「ロジカル(論理的)」であることが重要だと言われる一方で、「ロジカルだけではない」というような意見もあります。今回は、感情をロジカルに伝えることにテーマを起きながら、「ロジカルである」とはどんな状態なのか、そして目指すべきは何なのかを考えていきます。

目次

  1. なぜロジカルが大切なのか?
  2. 感情を大事にすることと感情的なことは違う
  3. 温かみのあるロジカルな人を目指そう
  4. 参考書籍について
  5. Voicyチャンネル「小田木朝子の 今日のワタシに効く両立サプリ」ご紹介

なぜロジカルが大切なのか?

「仕事においてロジカルであることは、やっぱり大事。」この感覚はお持ちですか?なぜそういう感覚を持つに至りましたか?
そもそも「ロジカル(論理的)」とはどんな意味でしょうか。
一つは、筋道が明確なこと=論理的という解釈です。 よく言う「論理的に考える」「ロジカルに考える」というと、筋道を立てて考えること。すなわち、状況をよく理解でき、自分が考えたことを相手に伝えることができることと言えます。

一方で、ロジカルだけでは駄目だ。ロジカル以外も大切だ。こういった意見もあります。ロジカルを左脳的のような表現をし、直感やひらめきを右脳的な表現とする考え方もあります。また、「情と理」のように表現し、感情の情と理論の理を対比させながら使い分けるというような考え方もあります。
あなたは右脳派?左脳派?と問われると、タイプ的にどちらなのかという考え方をしがちです。このように二軸で考えてしまいますが、実質はどちらも必要なのではないでしょうか。
例えば、仕事において新しい打ち手を考えなければならない場合、様々な情報を多角的見る中で、気付く、ひらめくといったことも大切です。一方で、ひらめき一辺倒でいけるかというと、そのアイデアがなぜ打ち手にフィットするのか?そもそも求められている条件や要件と合致するのか?といった観点では、論理を組み立てながら証明していかなければなりません。 このように、論理的・論理的ではないといった決定よりも、双方を行き来しながら、どちらかに偏重しないことが重要と言えます。

感情を大事にすることと感情的なことは違う

ロジカルであることは大切だと言う一方で、ロジカルだけでは人は動かないのでは?といった疑問を持つのではないでしょうか。自身もワクワクしないし、相手の心が動き行動を変えることが難しいという考え方もあるでしょう。ロジカルを人以外のイメージで考えると、数字、丸よりも四角くてかたいものである、暖かいよりも冷たいも、こんなイメージがありそうです。

ロジカルの誤解?温かみのあるロジカルな人を目指す


しかし、ロジカルに表現することと、その表現の中身は異なります。つまり、感情もロジカルに説明ができるということです。 例えば、食事の後の洗い物を家族にしてほしかったが、洗い物をしてもらえず、すごくモヤモヤする。この感情は、一見なぜイライラしているのかを、明確に理解しているようで理解していない状態です。この状態のままコミュニケーションを取ると、感情の赴くままのコミュニケーションとなるため、「なんでお皿洗ってくれなかったの?お願いしておいたのにどうして?」のような、往々にして相手に非難が向いてしまいます。

一方で、感情をロジカルに説明できる状態においてはどう考えられるでしょうか。説明できるということは自身の感情をロジカルに理解する必要があります。

  • きっと洗ってくれている、そういった期待があり、その期待を裏切られたから私はこんなにがっかりしてモヤモヤしている
  • 自分ばかり家事について考えている。こういった気持ちを抱えているからお皿が洗われていなかったということに対してモヤついているのだろうか
  • 一緒に気持ちの良い生活を送りたいと思っているのに、相手がそういう望みを持っていないように感じてがっかりしているのか

ここまでを理解した上で相手とコミュニケーションを取ると、論理的に自分の感情を説明でき、相手と対話ができる状態になったと言えそうです。

ポイントは、感情を大切にすることと、感情的であるとことは別だということです。ロジカルであることは、数字や硬い情報だけを使い、感情を一切差し挟まずに伝えることではなく、感情以外にも、思い・ビジョン・ストーリーをロジカルに語ることで、相手に伝えることではないでしょうか。

温かみのあるロジカルな人を目指そう

今回は、ロジカルについて考えていきました。ロジカルに考えるということは、「なんでロジカルが大切なのか?」を感情的なコミュニケーションや感情に流された決定としないための手段。すなわち、感情もロジカルに説明できるようになる良いということです。目指すべきは、温かみのあるロジカルな人。自分の感情、思い、ビジョン、ストーリーなどもロジカルに考えて伝えることができる、相手と対話することができるような状態を目指していきましょう。

参考書籍について

働く私たちの育休戦略

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株式会社NOKIOO 取締役 小田木朝子

小田木 朝子
株式会社NOKIOO 取締役/経営学修士

ウェブマーケティングの法人営業などを経て、NOKIOO創業メンバーとして参画。教育研修事業担当役員。2011年、中小企業診断士資格取得。2013年、自身の経験を活かし女性の社会参画支援事業『ON-MOプロジェクト』を立ち上げ、会員6,000名を超えるネットワークを育成。2016年12月『一般社団法人 育勉普及協会』を設立。2020年、オンライン教育サービス『育休スクラ』を立ち上げ、経験学習による人材開発・オンラインを活用したキャリア開発とアクティブラーニングを法人・個人向けに提供。グロービス経営大学院修了。
著書「人生の武器を手に入れよう!働く私たちの育休戦略」。
●音声メディアVOICYで「今日のワタシに効く両立サプリ」配信中 https://voicy.jp/channel/1240
●アクティブ・ブック・ダイアローグ®認定ファシリテーター


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