株式会社NOKIOOでは、管理職および管理職候補者を対象とした「期待役割マネジメント研修」のニーズが高まっています。
その背景として
「目標のすり合わせが曖昧になっている」
「目標数値のみを上司から部下に提示するのみ」
「人事考課の評価に不満が出ている」
といった組織課題があります。
リモートワークや時短勤務等、働き方が多様になっているからこそ大事になってくる「期待役割」。
評価者研修や1on1の取り組みが浸透している企業において「期待役割」を定義しチームマネジメントに取り組むことが、どのようにチームのパフォーマンスに影響するか、本記事でご紹介いたします。
目次
1. 期待役割とは
期待役割とは、「組織やチームが、個人に期待している役割」のことです。
チームが目指す目標や成果に対して、チームメンバーに「どのように頑張ってほしいか」を役割や具体的な成果、さらに成果を実現するための要件について、メンバーそれぞれに言語化します。
例えば、営業を担うメンバーに対して「あなたの期待役割は営業です」と伝えますか?
営業といっても、具体的にどのような業務を遂行するかによって、期待役割は異なります。
<例:営業の期待役割>
● 新規顧客を開拓する
● 既存顧客との関係維持とフォロー
● 既存顧客へさらなる提案をする
● 既存顧客からのヒアリングを通じて、新規事業の芽を見つける
営業という業務に加えて、チームにおける期待役割もあります。チームとして成果を出すために、個人にどのように頑張ってほしいかという観点で設定します。
<例:チームにおける期待役割>
●新しく加入したメンバーへのオンボーディングを遂行する
●後輩の業務に対してフィードバックを行い、成果を出すための支援をする
●競合情報を収集し、チームへ素早く共有する
●新しい業界や技術の情報を収集し、解説を含めてチームへ共有する
業務およびチームにおける期待役割だけでなく、どんな成果をあげることがチーム成果に後継するか定量化し提示し、その実現に必要な要件を明示することが重要です。
2.「期待役割」により実現できること
期待役割の言語化は、マネジメントやリーダーの視点では一見、時間がかかる工程ですが、メンバーとの認識のずれをなくすことができます。そして、期待役割があることで、適切な目標設定と評価、チームの業務成果の達成が可能になります。
メンバーにとっては、何に・どの程度取り組めばよいかが分かるため、目標達成に向けて適切なエネルギーと時間を投入できます。何をすればいいか分からない、だから何でも頑張るという「チーム全体が疲弊する状況」から脱却することができます。期待役割に沿って仕事に取り組むことで、メンバーはチームへの貢献を実感することができ、個人の評価にも繋がります。
マネージャーにとっては、メンバーが持つスキルや経験、今後の育成ポイントにそって、適切に力を発揮していただくことが可能になります。何を期待されているのか、どう取り組めばいいのかということが明確になることで、メンバー自身でエネルギーと時間の投入を調整できるようになるからです。
さらに、期待役割によってメンバーの自律的な行動を促すことができるため、リモートワークや時短勤務に左右されないチーム運営が実現できます。場所や時間に縛られることなく、期待役割に集中して業務に取り組んだり、期待役割に沿ったコミュニケーションをとったりできるため、適切なチーム運営ができるようになります。
3.期待役割はコミュニケーションツール
マネージャーとメンバー間で期待役割について話すことから始めましょう。期待役割は、メンバーが持つ「こうしたい」と、マネージャーが持つ「こうしてほしい」を調整するためのコミュニケーションツールとも言えます。お互いの期待は放っておくとすれ違ってしまうため、期待役割をもとに認識の共有をしていくことが大切です。
個人の期待役割は、チームが組織から期待されている役割を細分化したものです。仕事を効率的に、かつ個人の働きがチームや組織への貢献に繋がるための仕組みとも言えるでしょう。
次回「組織課題と個人の強みから逆算する~期待役割の設定方法~」では、期待役割の設定方法について解説していきます。
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